理Ⅲでもいける  医系中心の大学受験と英才教育 遅咲き守破離教育法とは 個別指導 only in Fukuoka city

数学の勉強法

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受験数学勉強法

0.序、ご留意点
この文章は今までの指導法をまとめたものです。私も日々向上、進歩してますので、半年後はまったく違う手法を取っている可能性もあります。日々、忙しい中ですが、随時改定して行きます。

1.全体戦略

基礎概念把握→基礎問題演習→標準問題演習→応用発展問題演習を順に経て、入試問題演習をしっかりこなせば、偏差値65はいける。60後半から70台にのるにはコツがいる。このコツは入試問題演習のところで詳しく述べる
数学は時間がかかるので、高1,2からしっかり行うことが大切になる。

2.① 基礎概念把握 

数学が好きになるには、各章につき、教科書の定理公式の論理の流れ把握し、自分で証明できるまで習得することだ。たとえば、二次方程式の解の公式を導き出すところからしっかりやるべきだ。人間は理解できないもの丸暗記しすぎると必ずパンクする。定理公式を自分で証明できることはほんとに大切だと思う。

サッカーの中田英寿は高校時代、数学を含め成績が高校でもトップクラスだったのこと、東大も狙えたのこと、しかもサッカーU18代表練習遠征で学校に行けなくてでもある。たぶん、彼は教科書の定理公式の論理の流れをしっかり把握していたのだと思う。その知性があるからこそ、彼ぐらいのサッカーの素質をもった選手はごろごろいたのに、彼だけが世界のトップレベルまでいけたのだろう。

また、筆者の高校時代、数学の先生は2名で1学年を担当されていた。一方は教科書の定理公式の証明をこれでもかと詳細にやってくれる先生で、他方は簡単な説明だけでさっさと問題演習に走る先生であった。私は学校の授業中心の勉強法だったので、両方に従っていたが、今考えると、後者の先生はチャートを自分でやればいいわけで、存在価値はあるのだろうか?と思う。

前者の先生の授業はいまでも鮮明に覚えている。積分の説明で関数をn等分したグラフを黒板一杯に使ってかき、積分の考え方を詳細に教えてくれた。これは浪人してわかったが、その考え方や手法が受験問題につながっていたし、理解しているのでその分野は得意になった。

今の多くの生徒は何故、積分すると面積になるのかさえわからず、闇雲に問題を解いている。恐ろしい限りである。

2.② 基本問題演習 
教科書の定理公式の論理の流れをしっかり把握した上で、基本練習をしっかり行う。問題集はチャートで十分で黄チャートか青チャートを例題と下の練習問題を三、四回繰り返して解き、頭に叩き込む。

学校でよく使われる4-stepなど黄から赤チャートまでの問題を編纂したもので、4-step やるぐらいなら、チャートやった方が、解答や指針が詳しくのっているので良い。尚、チャートも巻末問題は次の標準問題演習の段階で行う。

チャート式数学  数件出版
赤チャート(大学受験用)
青チャート(基礎からの)
黄チャート(解法と演習)
白チャート(基礎と演習)

尚、世の中にはチャート反対派がいて、答えが親切でない、センスがないとかの理由で、他のシリーズを薦める方も多い。私も個人的には、名著鉄則シリーズがお勧めであるが、厳しい出版業界の中で絶版になってしまった。

ただ、チャートは問題の網羅性において数段優れているし、解答の不備なところは学校の先生などに休み時間に聞けばカバーできる。私が指導する場合は、黒板にチャートの問題を私なりの解き方で解き、それで生徒に説明する。チャートの解法を含め、生徒の視野を広げさせることをやっている。およそ三割は違う解法になってしまうのだが、あくまでも生徒が復習すべきチャートの解法をメインにするように指導している。
 
2.③ 標準問題演習 

何をもって標準というか。たとえば青チャートを標準という方もいるであろう。ここでは、偏差値60後半を狙う下準備と定義する。問題集としては以下にあげる。

東京出版 1対1対応の演習 ⅠA、ⅡB、ⅢC 三冊構成

この本が私の指導経験では最適であったし、あり続けるだろう。チャート全体(赤も含め)で網羅できない、問題パターンが300以上はのっている。数学は暗記でない、思考型数学を志向しているが、ここまでの解法パターンを知らないと大きく伸びることはできないので、目をつむって解法を頭に叩き込んで欲しい。

ただ、高レベルなのでここは受験数学に長けている先生に指導してもらうのがベストだと思う。何故、そんな発想をするのか、解き方をするのかは、受験数学の入試問題を東大レベルまでしこたま解いて自分なりの流派を持っている先生しか説明できないだろうと思う。

例題を答えを隠して15分位解いて、だめだったら解答見る。理解できればよい。そして、別の日にまたトライする。最後までとけたら、下の演習問題にはいる。この演習問題は例題より数段上なので、これも粘った末に解答を見るほうが良い。これは、大切で、思考の粘りがつくし、本番でひらめく能力をつけさせるのである。

2.④ 応用発展問題演習
この段階までやる人は、東大や京大、国公立私立医学部に上位校を狙う方、または数学で点を稼ぎたい方に限る。問題集としては以下にあげる。
東京出版  新数学演習 8月季刊号出版
この本ほ1950年代からの受験数学問題を集め編纂された難問集である。問題数は少ないが、これをじっくりやると確かに、東大や京大の問題の奥底に流れいているものが多く感じ取れるようになる。出題者の立場を察することができるようになる。これはしめたもである。

ただ、やり方が重要になる。これは答えをすぐ見ての暗記ではまったく力がつかない。1対1対応の演習で粘ることを薦めたが、ここではもっと粘った方が良い。これを寝かすと私は言うけれど、とりあえず問題を30分かけて解く。できなかったら、次の日も別の角度から考え解く。最低三日は寝かせて欲しいものである。

何故、寝かすことが大切か、将棋の世界を例えに説明しよう。プロの将棋家たちは対局では、持ち時間が決まっていて、制限時間の中でいろんな手を考え、駒を動かし試合を進める。それでは、彼らが日常、スピード練習ばかりしているかというとそういうわけではない。一手打つのにあらゆるシュミレーションをして、数日、考え続けることもあるそうである。それでなければ、試合でひらめくことはない。

受験数学も同じで。日頃寝かして、例えばこの問題を数式的に解くとか、今度は図形やグラフ的に解くとか、ベクトルを使って解くとか、いろいろ試行錯誤して脳の回路を柔軟にする訓練も必要不可欠なのだ。 筆者も高校3年時代は、すぐ答えを見て、暗記しようとしていた。それで、本番でまったくひらめかなかった。浪人になって、5、6,7月と難関大学の実際の入試問題を1日1回ペースで正規時間で解き、解けなかった問題は最高7日は寝かせた。そうするうちに、散歩中とか入浴中に解法がふとひらめくようになったのであった。そうなると、不思議に模試でもひらめきまくるのである。手がかってに動く感じである。これが、筆者のいう思考数学である。

尚、この寝かす作業を大学のへの数学の月刊号巻末の学力コンテストでやる人もいるが、これはお勧めでない。問題がマニアック過ぎて、時間がかかる。理Ⅲ狙っていて余裕がある、早咲きの人がやるものである。普通の人は寝かすなら、東大か京大の過去問をやった方が良い。
  
2.⑤ 入試問題演習

重要なのは入試問題演習をどの時期にやるかである。例えば国立二次の場合、9月には国立二次の志望校の入試問題を解き始めた方が良い。それまでに、難関大なら応用発展問題演習を、地方中堅国立医なら標準問題演習を、終えておくのが理想である。もちろん、並行して、復習すべきではある。
 
実施方法は理想は週3回、正規の時間で各大学の入試問題を解く。志望校とレベル上の大学や総合的に全内容を出してくれる筑波、千葉大などを混ぜてやるのが良い。

東大受けるからといって、東大や京大ばかりやってると、易しい問題を早く解く練習がおろそかになるし、時に基本復習も必要であるから、3回に1回は千葉大などを混ぜると良い。

筆者の浪人時代は、難しい大学と中堅クラスと交互に、ほぼ毎日、3日に2回はやっていた。中堅大学の入試問題演習にも本当に役にたった。魚のおいしいところばかりだけでなく、丸ごと食べる感じである。

ただ、寝かすことはここでも重要になる。前述で述べたように、これがないとまず本番でひらめかないし、定型の問題しか解けない。

寝かしても解けなくても、落ち込むことはない。痛い目に会って、理解したものは必ず脳の奥底まで刻みこまれているから、本場で必ず役にたつはずだ。
  
⑥ センター、私立、国立二次対策 

センターで高得点を取るには、二次の問題を解く底力とセンター問題特有の解くスピード力である。しかし、この両者は日頃、二次の入試問題をしっかり正規時間で練習してきたら、自然とついくる。文系の場合でも同じである。

よって、特に対策は要らないのだが、念のため、11月から週1、2回12月から週2、3回過去問または模擬テスト実践演習をすればよい。正規時間で解く事で時間配分や解く順番の感覚を身につければ十分である。尚、分野別に気なるところがある場合はセンター分野別問題集を仕上げると良い。

国立二次対策、私立二次対策については、基本的に前述したように、基礎概念把握→基礎問題演習→標準問題演習→応用発展問題演習を順に経て、入試問題演習をしっかりこなせばよい。私立対策としては、入試問題演習段階で、2回に1回は国立の入試問題を入れてレベルアップすべきだ。問題的には国立の方が総じて難しいからだ。

重要なのは入試問題演習をどの時期にやるかである。例えば国立二次の場合、9月には国立二次の志望校の入試問題を解き始めた方が良い。それまでに、難関大なら応用発展問題演習を、地方中堅国立医なら標準問題演習を、終えておくのが理想である。もちろん、並行して、復習すべきではある。
 
⑦浪人生、現役、高1,2年生 

浪人生の場合、各人のレベルにもよるが、基礎概念把握→基礎問題演習→標準問題演習→応用発展問題演習をじっくりやっている時間はない。標準問題演習→応用発展問題演習中心にを9月までに仕上げて、理想的には8月から入試問題演習に入る方が良い。もちろん標準問題演習→応用発展問題演習のテキストは復習しながら。寝かせながら、正規時間で解き、多量に解く。理想的には週5回はやってみると良い。三ヶ月経ると、ひらめき始める筈だ。

現役時代に標準問題演習までしっかりやってたら、4月から7月まで入試問題演習中心にして、8月9月と標準問題演習→応用発展問題演習中心、また10月から入試問題演習中心にするという作戦もある。  いずれにしても、センター対策を始める11月中旬前までには、入試問題演習を少なくとも三ヶ月やって、受験数学どんとこいという状態にしておきたい。

 そうすると、2学期から予備校の授業などは出る暇はない。自分で汗水、頭脳を絞って、問題解いたほうが、授業でるより100倍いい。こういっても、集団心理に流されやすい人は授業にでるのだろう。ここは自分との勝負である。 私の指導でも同じで、本人に山ほど入試問題プリントを解答無しで与え、宿題として解かせ、塾で回収しその場ですぐに得点をつけ、解答解説をし、また解答・補充プリントだしたり、寝かせる問題を指定し再提出を求めたり、本人の潜在能力の発現に努める。受験数学は12月前に大勢は決まる。それ以降は逆転は難しい。

現役生は学校の授業進展や高1,2年生でどれぐらい勉強していたかに大きく違ってくる。だから、ひとつのモデルをあげる。

理系で3年1学期末でⅢが完了する場合を想定する。まず、授業展開とともにⅢ分野の基礎問題演習をチャートで行う。並行して、既習分野のⅡBから ⅠA順に1対1の対応で標準問題演習を行う。夏休み中にⅢの1対1の対応で標準問題演習とⅡBからⅠAの完結と復習を行う。余裕があればⅠAⅡBの入試問題も行う。国立二次の文系の入試問題を解く。寝かすことも忘れない。9月からは、徐々に入試問題演習にシフトしていく。もちろん、標準問題演習教材の復習も並行する。入試問題は正規時間で解くべきで、分割しても二分割までにする。土日と週の半ば水曜などに行う。

学校の補習が入るので等の理由で時間が取れないと嘆く前に、時間をうまく作ろう。社会にでても、仕事のできる人は時間管理が上手である。ひとつの修行と考えればよい。センター対策は11月中旬から始める。過去問や模擬テストを自分で正規時間で解く。始めは週1回でもよいが、1ヶ月きったら週2回はやればよい。

高1,2年生は③から⑥で述べたことをじっくりやればいい。まずはしっかり基礎概念把握を行う。学校で軽く説明されたとしても、自分で公式が証明できたり、導出できるようにしよう。その論理の筋道が受験問題の奥底に流れるものだから、必ず役に立つ。

まずはしっかり教科書の定理や公式の流れを自分の頭の中に叩き込もう。そのあと、基本演習をチャートで行う。3,4回繰り返してすらすらできるまで習得しよう。そのあと標準問題演習として、1対1対応、余裕があればチャートの巻末問題をやる。ここで、寝かせる作業もいる。応用発展演習は余裕があれば行えばよよい。

ここで問題なのは、学校が授業進展が早すぎたり、宿題が多すぎて、基本演習が十分行えなかったり標準問題演習ができない場合である。学校を無視し定期で悪い点とっても自分のペースでやれる肝があればこしたことはない。そこまでは無理な人は学校の負荷が弱くなるとき、夏冬春休みや学校行事(文化祭等)を利用して、実施しよう。数学は1,2年生からじっくり実力を蓄えていかないと、3年ではなかなか逆転できない教科であるから、3年でもう一回総復習すればなんとかなると腹をくくらないようにお願いします。
    
⑧ 受験数学の背景思想(執筆中) 

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